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制作者の思い
プロデューサー両角美由紀より
From Miyuki Morozumi, Producer
自分の【意思】ではどうすることもできないことに対して不当な差別を受け、皆と同じ生活を送ることができない…。 言葉で表現するのはとても簡単ですが、当事者にとっては、想像を絶する苦悩なのではないでしょうか。 どんな人にも生きる価値があり、そのひとりひとりにより社会はできているのだから、異なる個性を受容できる社会が本来あるべき社会であると、私は思います。それは【単なる理想的な社会】」ではなく【実現可能な社会】です。 ではなぜ、そんな【実現できる社会】が実現できていないのか…? 多くのGIDの方々が生きずらさから自らの命を絶つ状況が続く中、本作品を通して、社会を構成するひとりでも多くの方々が、【違うこと】に対する新たな認識を持っていただけたらと思います。
Some people are still facing unreasonable discrimination against something that they cannot help… It would be an unimaginable agony for them, much harder than it seems. Each one of us has a valuable life, and our society consists of such individuals, so I believe that our society should be one where we would accept any person with a different individuality. And I strongly believe that it is ‘a realizable society,’ not merely ‘an idealistic society.’ Then why have not we realized this ‘realizable society’ yet? A lot of people with GID are still suffering, some taking their own precious life, I truly hope that, through this film, more and more constituents of our society can gain a new recognition about ‘being different’.
ディレクター常井美幸より
from Miyuki Tokoi, Producer & Director
小学校に入ったころから、「普通」って何だろうとずっと考えてきました。「普通」でいるために自分を殺さなきゃいけないの?「普通」からはずれるのは悪いこと? 私たちは、「性別」に限らず、「普通であること」を前提として、いろいろなカテゴリーに自分を当てはめながら生きています。世の中から、自己認識とは異なるカテゴリーに振り分けられることもあります。カテゴリーに当てはめられなければ「異常」として差別されることもあります。 でも、それってちょっと息苦しい。カテゴリーの枠をはずれて自分らしく生きられる社会、お互いがお互いの違いを超えて受け入れあえる社会。そういう自由な社会に少しでも近づけたらと思い、このドキュメンタリーを企画しました。
I have always wondered since my childhood what it means by ‘standard’. Do I have to give up some of my features to be a standard? Is it really wrong to be out of the standard? Because to me, current society seems to have a lot of standards that we have to fit ourselves into and we often categorize ourselves based on those standards, including sexuality. Sometimes we are categorized into something that we don’t want. In extreme cases we may be labeled as ‘abnormal’ if we differ from the conventional standards. But I think we cannot really live freely in such a society. Instead, I want to live in a society without boundaries where we can be our true selves, and we can respect each other and accept our differences. I make this film hoping to contribute to achieving such an ideal society.
crew list
プロデューサー / producer
両角美由紀
Miyuki Morozumi
Has been producing films/TVCM and distributing foreign films mainly in UK and Japan. A freelance producer.
多摩美術大学 芸術学部芸術学科卒業 ニューヨーク大学 大学院修士課程修了
大学卒業後ワーナーミュージック・ジャパンにてアシスタントプロデューサーとして日本人アーティストのPV製作に携わった後、ニューヨーク大学大学院に留学。帰国後、ぴあフィルムフェスティバルに勤務、映画祭のPR業務を行う。 その後ロンドン、日本にてフリーランス映像プロデューサーとしてTVCM、企業PV、ドキュメンタリー映画などを製作。海外・日本合作映画のコーディネーター、東京国際映画祭のゲスト担当なども行う。2003年から北欧の子供映画を集めた【Kodomo Cinema Collection】を発売販売、2005年にはフィンランド映画【ヘイフラワーとキルトシュー】の劇場映画配給も行った。現在フリーランスのプロデューサーとしてドキュメンタリー映画を企画中。
ディレクター / producer & director
常井美幸
Miyuki Tokoi
Has been producing/directing various documentary films mainly in UK and Japan as a freelance producer/director. Currently a director for a news show on Japanese public broadcaster.
国際基督教大学(ICU・東京)教養学部コミュニケーション学科卒業 ブリストル大学(UK)ドラマ学部映画学科修士課程修了
子供のころから音楽と映像のダイナミズムに興味を持つ。 大学卒業後はイギリス系レコード会社で、洋楽ディレクターとして音楽ビジネスに関わる。その後、イギリスに留学、映像制作全般を学ぶ。 帰国後はエディターとして活動を開始、後、ディレクター、プロデューサーに転向。 ビジュアルと音楽にこだわりつつ、アート・デザイン・建築などのドキュメンタリーや、社会的弱者の視点を描くニュース・リポート制作を続ける。
フィルモグラフィ Filmography
- 2009-2018
- NHK World: “Newsline” (24時間英語ニュースチャンネル)
- 2007-8
- NHK World "Insight & Foresight" (英語インタビュー番組)
- 2007
- Al Jazeera "An Ideal Husband" (国際結婚を目指す女性たちを描くドキュメンタリー)
- 2007
- Al Jazeera "Yakuza Daughter" (ヤクザ一家の娘として生まれた女性の思いを描くドキュメンタリー)
- 2006
- NHK: "シートンの世界 The World of Ernest T. Seton ”(動物画家、作家シートンの障害を描く番組)
- 2002
- 劇場用ドキュメンタリー Feature documentary "皇国少女 The Emperor's Tram Girls" (戦時下の広島でチンチン電車の運転手を務めた女学生たちの物語)
音楽 / music
上畑正和uz
Masakazu Uehata
A self-taught composer who has made music for TV shows, adverts and events for more than 30 years. He created his composition using 7 channel speakers and a 3D surround music system.
作曲家・ピアノ・リードオルガン。大阪工業大学卒業。独学で作曲と和声を探求。TV、CM、アニメ、ファッションショー、公共施設の作編曲、ロック・ボサノバからクラシック・邦楽まで多岐にわたる楽曲を手がける。演奏活動ではソロをはじめ、多種楽器奏者とのコラボレーションを展開。即興演奏も数多く、朗読劇などにも参加。 サラウンド(イマーシブサウンド)による楽曲作りにも取り組み、7chスピーカーで観客を取り囲むコンサートや、立体サラウンド楽曲をアート展に出品。
エディター / editor
吉田浩一
Koichi Yoshida
Has been editing TV programmes in Japan for 20 years. Has deep technical skills. A freelance editor.
映像専門学校卒業後、テレビ局、ポストプロダクションスタジオ、アニメーションスタジオに在籍し、映像編集作業を担当。 2010年にフリーランスとして独立。主に映像編集業務を行う。 2016年10月に「Prima Platz」の屋号でWEB動画制作事業を新たに立ち上げ、企業・店舗向けの映像や、YouTube動画制作など様々なジャンルに携わる。
アート・ディレクター / art director
伊藤ともこ
Tomoko Itoh
Has studied art in UK, and has worked as art director/designer for 15 years in Japan.
武蔵美術大学を卒業後、ロンドンに留学、ロンドン大学ゴールドスミスカレッジでアートの学位を取得。帰国後はNHKワールドのアート・ディレクターとして活躍。現在フリーランス・アート・ディレクターとして、印刷媒体、動画媒体のアート制作にかかわる。
テーマソング “What Are Boys/Girls Made of?”
Composed and Played by上畑 正和
独学で作曲と和声を探求。TV、CM、アニメ、の作編曲、即興演奏、立体サラウンドによる楽曲作りなど多岐にわたる活動を展開
テーマソング“Never in My Life”
Sung by 両角沙霧ソール
1999年3月15日東京生まれ。アイスランド/日本ハーフのシンガーソングライター。